もっと揺さぶられて生きよう!キヨばあが教えてくれた、私の「感情の壁」

明日、30歳になる私です。

仕事上でバタバタと決断の時を迎えたり

いろんな面で大きな動きがあったのですが。

 

 

加えて、

最近、祖母のキヨが亡くなりました。

(母方の祖母)

 

 

最初に祖母の死を知らされたとき

私は悲しいと感じませんでした。

葬儀や通夜に必要なものを揃えることや

調整せねばならない仕事について

少し考えたぐらい。

 

 

特別養護老人ホームに長い間いた祖母、99歳。

もう喋れない・食べられないの状態に入って久しく

亡くなっても誰も驚かない状態ではありました。

 

 

でも、自分が悲しくならないことに

不思議な気持ちも感じていました。

大好きな祖母が死んだのに。

 

 

そして、迎えた葬儀の日。

葬儀会場に横たわる祖母の周りに

みんなでお花を置いて行くとき

微笑んだ表情の、美しい祖母を見て

突然涙が溢れてきました。

ほんの1、2時間後には

祖母の身体は火葬されて

骨になってしまうんです。

もう、祖母の肉体には会えないのです。

いきなりその寂しさが起こったのか、

涙が止まらなくなりました。

 

 

命って何なのだろう、

死ぬって何なのだろう

肉体があるうちは

この世のものって感じがするけれど

骨になってしまったら

もうあまり悲しくも感じない。

ってことは、

骨は祖母じゃないのか?

どこからが生で

どこからが死なんだろうか、

 

 

そんなことを考えつつ火葬を終え

ふと気付きました。

 

 

あぁ、私は祖母が死んで悲しくなかったんじゃない、

悲しみを感じないように

感情をシャットダウンしていただけなんだ、って。

 

 

私はいつもヘラヘラしていますが

(皆さんからはどう見えているでしょうか。笑)

こう見えて驚くほど感情が揺れます。

それが良い感情であっても、

日々の生活のペースに影響するぐらい。

例えば感動的な映画を見て感情が大きく揺れた場合に

その後きちんと対処しないと

日常生活が送れなくなります。

落ち込んでやるべきことが手につかなくなったりとか。

最近はだいぶ減りましたが

昔は、

「自らたくさん芸術に触れたり、

心を揺さぶられる体験をしたがる人の

気がしれない!」

とすら思っていました。笑

 

 

日常生活をしっかりと送って行くため、

大人になってからは特に「まともに仕事をするため」に

私は「感じないようにする」という

スキルを身につけてきました。

何が起きても、感情が波打たないように

心の中に防波堤のようなものを作っているんです。

 

 

葬儀会場で横たわっていた、

肉体の機能を終えた祖母が

そのことに気付かせてくれました。

そして、

我慢するな、泣きなさい、

もっと揺さぶられて生きなさいって

言ってくれたように感じました。

 

 

キヨばあは、信じられない苦労をしてきた人です。

10歳そこそこで、貧しい自分の家を助けるために

他の家に奉公?に出されたのだそうです。

その家から逃げ帰ってきた話を

倒れて特養に入る前には

何度も何度も私にしてくれました。

頭が良かった祖母は、

勉強したくて仕方なくて

弟をおんぶし、妹の手を引いて

小学校に通ったと言っていました。

結婚してからは、家計を支えるために

行商に出て、

その途中で落石に潰されて足が変形した話などを

私に教えてくれました。

 

 

本当に、何度も、何度も同じ話をしていたのだけど

私は、なぜか聞き逃したらいけない気がして

ずっと聞いていました。

 

 

これは予想だけれど

多分キヨばあも、「感情の壁」を

使っていたんじゃないかなぁ。

つらい時を生き抜くために

我慢して、我慢して、

感じないようにしたことも

あったんじゃないかなぁ。

 

 

そこで亡きことにされた感情たちは

晩年に溢れ出て

何度も何度も同じ話をしたんじゃないかなぁ。

 

 

キヨばあが教えてくれました。

もっと「揺さぶられて生きなさい」って

言われているように感じました。

 

 

キヨばあが生きてきた時代とは違い

今は生きるか死ぬかの瀬戸際になることって

この日本に暮らしていたらそうそうないですよね。

「感じないようにする」なんていうスキルを

使う意味がない。

人間は、この感情を味わうために生まれてきたんだって

わかったつもりだったのに

全然わかっていませんでした。

 

 

良い感情も、悪い感情も、

全部を感じて味わうことで

私がどんどん私になっていきます。

外側のスペック、

例えば美しい外見か否か、

お金持ちか否か、

社会的権威があるかどうかだとか

そういうのが個を個にするのではなく。

私が私であるために、

大事なのは感じることなんだ。

 

 

感じることをやめない!

感情の壁を作らない!

 

 

キヨばあ、

悲しいよーーー会いたいよーーー!!!!

でも

みんな大丈夫だよーーー!!!!

本当にありがとう〜〜!!!!!

執筆者:MIKA TANAKA