【Zoom運用】改めて確認したい通信環境の基本と対策

いつもお世話になっております。
こちらは、私たちZoomオペレーターが日々のサポートから、お伝えしたいZoom機能やちょっとした情報をお届けするページです。

今回は、Zoomを使用する際に必要な通信環境について、ホストの皆様に知っておいていただきたいZoomに必要な通信速度や参加者へのお願い事項をご紹介します。また、参加者のネットワーク状況が悪い場合の対処法についてもお伝えします。

Zoomに必要な通信速度

以下の表は、Zoomを利用する際に必要な通信量・通信速度の目安です。参加者の皆様に自身の通信環境を確認していただき、測定結果が以下の表の値を満たしているか確認してもらいましょう。

1対1ビデオ通話

ビデオ品質帯域幅 (上り/下り)
高品質ビデオ600kbps (上り/下り)
HDビデオ1.2Mbps (上り/下り)
1080pHDビデオ3.0Mbps (上り) / 3.8Mbps (下り)

グループビデオ

ビデオ品質帯域幅1帯域幅2帯域幅3
高品質ビデオ600kbps/1.2Mbps (上り/下り)800kbps/1.0Mbps (上り/下り)600kbps (下り)
ギャラリービュー/720pHD1.5Mbps/1.5Mbps (上り/下り)1.5Mbps/1.5Mbps (上り/下り)
1080pHDビデオ3.0Mbps (上り) / 2.5Mbps (下り)1.2Mbps (下り)

画面共有

共有タイプ帯域幅
画面共有のみ (ビデオサムネイルなし)50-75kbps (上り/下り)

(出典:Zoom Support)

帯域幅(たいいきはば)について確認しておきます。

インターネットなどの通信回線でデータを送受信する際の「データが通る道の広さ」を表す言葉です。広ければ広いほど、一度に多くのデータを送ったり受け取ったりできます。

具体的には:

・帯域幅が広い: 一度にたくさんのデータを高速で送受信できます。これは、たくさんの車が一度に走れる広い高速道路のようなイメージです。たとえば、4Kビデオのような大きなデータ量が必要なコンテンツでもスムーズに再生できます。

・帯域幅が狭い: 送受信できるデータ量が少なくなります。これは、車が1台ずつしか通れない狭い道路のようなイメージです。この場合、大きなデータを扱うときに通信が遅くなったり、ビデオが途切れたりすることがあります。

インターネットの帯域幅は通常、bps(ビット毎秒)という単位で表されます。

・Kbps(キロビット毎秒): 1秒間に1000ビットのデータを送れます。

・Mbps(メガビット毎秒): 1秒間に100万ビットのデータを送れます。

グループビデオでは帯域幅が3つありますが、Zoomが以下のように自動調整してくれています。

Zoom が使用する帯域幅は、参加者のネットワークに基づいて最適なエクスペリエンスが得られるように最適化されます。3/4/5G、WiFi、または有線ネットワークに合わせて自動的に調整されます。

(出典:Zoom Support

参加者にお願いしたい事前準備

事前ご案内の文章は常に送信されているかと思いますが、ホスト側も参加者側も慣れてきたために、うっかり忘れがちなポイントです。改めて確認し、この機会に送信している案内文を見直してみてもよいかもしれません。

 1. Wi-Fi速度の測定

参加者の皆様に、Fast.comUSENスピードテストなどのオンラインツールを使って自宅のWi-Fi速度を測定するようお勧めください。

 2. 有線接続の準備

Wi-Fi接続が不安定な場合に備え、有線LANケーブルでの接続を推奨します。特に重要な会議や長時間の研修の際、少しでも不安のある方には有線接続を検討するようお伝えください。

 3. Zoomアプリの最新版へのアップデート

最新の機能やセキュリティ更新を利用するため、Zoomアプリを最新版にアップデートするようお願いしましょう。

 4. PCのパフォーマンスチェック

タスクマネージャーを使ってPCのCPUやメモリの使用状況を確認し、不要なアプリを終了させてZoomの動作を軽くできることをアドバイスしてください。

 5. 自宅の環境が良くない場合の対策

事前のテストで自宅の環境が良くないとわかった場合の対策として、以下の選択肢を提案しましょう:

1. モバイルWi-Fiルーターのレンタル

2. コワーキングスペースやホテルなど、安定した通信環境がある場所での参加

3. 自宅や会社以外で参加する場合は、必ず事前にその場でZoomテストを行い、速度を確認すること

ネットワーク状況が悪い場合の対処法

事前準備をお願いしても、参加者の方が対応してくださったとしても、当日は何が起こるかわかりません。対策をしても、音声がぶつぶつ切れたり、画面が固まったりしてしまうこともありえます。そんなときのために、以下の対応を確認しておきましょう。

参加者側の対策

1. ビデオをオフにする

2. バーチャル背景を無効にする

3. 他の参加者の映像表示数を減らす

4. Wi-Fi接続から有線接続に切り替える

5. スマートフォンのテザリングを利用する(データ通信量に注意)

6. ブラウザのタブやアプリを閉じる

ホスト側の対応

1. 画面オフの依頼:該当者に画面をオフにするよう依頼し、音声のみの参加を促す。

2. ブレイクアウトルームの活用:ネットワーク環境が悪い参加者をメインルームに残し、ホストや事務局がブレイクアウトルームに移動するなど、音声だけでも参加できるよう配慮する。

以上の情報を参加者に周知し、必要に応じてサポートを提供することで、スムーズなZoom会議の進行が期待できます。ネットワークのトラブルは誰にでも起こり得ることです。ホスト側が慌てず丁寧に対応できるよう準備しておきましょう!

それでは、みなさんのZoomライフがよりよいものになりますように!

※掲載内容は、記事作成時点のものです。Zoomのバージョンアップや使用デバイスによって、実際の画面や機能は異なる場合があります。ご了承ください。

執筆者:MIKA TANAKA