オンライン上でオープンダイアローグ体験!対話で回復を目指す新しい精神療法を試しました。

目次

「オープンダイアローグ」とは?

「オープンダイアローグ」という精神療法をご存知でしょうか?フィンランド発祥の、「開かれた対話」による治療法です。なるべく治療や投薬をしないで治療するのが特徴で、オープンダイアローグを用いると減薬できることも多いらしいのです。詳しくは時事メディカルのこのサイトをご覧ください!

 

 

「オープンダイアローグ」とは=対話で精神病からの回復目指す(時事メディカル)

(抜粋)最近、フィンランド発祥の「オープンダイアローグ」と呼ばれる精神療法が注目されている。文字通り「開かれた対話」による治療で、入院や薬剤を極力使用しない点が大きな特徴だ。統合失調症やうつ病、引きこもりなどの治療に大きな成果を挙げている

 

 

私はもちろんこの専門家ではないのですが、臨床心理士である新谷真弓さんを中心に、オンライン上でオープンダイアローグをやってみよう!という場に挑戦いたしました。

その患者、と言ったらいいのでしょうか、そういう立場を私がやりました!統合失調症でもうつ病でも引きこもりでもないのですが、オープンダイアログはそのような病気の状態の人でなくても、「ちょっと悩みがある」ぐらいの軽い状態の人にでも効果があるとのことで、その場に参加しました!

 

 

オンライン・ママ大学の「相談室」企画から

 

元々なぜこのオープンダイアローグをオンラインでやってみよう!ということになったかと言いますと、昨年私が立ち上げた「オンライン・ママ大学」でママたちがホッとできるような「相談室」を作ろうと考えていて、その企画途中にオープンダイアローグのことを真弓さんが教えてくれました。

そういう経緯も踏まえると、相談したい内容を用意してその場に臨むべきだったと思うのですが・・・なんと私、何も考えずに当日を迎えてしまいました・・・!

 

 

患者・関係者・複数の専門家による開かれた対話

参加者は5人。

・私(患者)

・私の仲の良い友人

・臨床心理士さん(真弓さん)

・臨床心理士さん

・看護師さん

 

 

患者の家族や友人や仲の良い人をその場に1人以上同席させることや、複数人の専門家がその場にいることが必要だそうです。そして、その場で対話をスタートしていきます。臨床心理士さんなどの専門家も、患者と対等な関係で対話していきます。また、患者抜きで患者の治療方針などを定めることなく、全て患者も含めて話し合うという点で「オープン」なのだそうです。

 

 

患者としての感想

そして特に相談したいこともないのにその場に参加してしまった患者役の私の感想は・・・とてもよかった!!!!!オンライン・ママ大学の相談室でぜひ取り入れたいって思いました。オープンダイアローグに挑戦してから数日経った今、冷静に、実現するためのコストについて私は頭を悩ませつつ、夢を描いています。

 

 

オープンダイアローグをオンラインでやってみる会は次回続きがあるので、またこのスタイル全体に対する気付きなどをご紹介したいと思いますが、今回は私がどんなことを相談して、どんな風に感じたのか、患者の感想としてまとめてみます。

 

自分の無価値感との戦い

まず、私はこれと言って激しい悩みはない状態でして。人間ですから、多少のつらい事・悲しいことなどはありますよ、もちろん!でも、専門家に相談しようって思うほどの状態ではなかったのです。患者と呼ばれていいのやらどうなのやら。「何について話しますか?」と話を振られたときに「悩みはない」と言った後にふと口をついて出たのが、自分が常々戦ってきた「自分の無価値感」についてでした。

 

 

私は小さい頃からなぜか、「私には価値がない」という根強い感覚があり、その原因が全くもってわからないんですね。でも「私には価値がないという感覚がある限り、人生は上手く行かない気がする!!」と起業初期(2、3年前)に強く思ってからというもの、半ば強制的に自分の中を書きかえてきました。自分の良いところをひたすら紙に書き出すとか、毎朝毎晩アファメーションの言葉を口に出すとか、無理やり「すごい!ついてる!」を口癖にするとか(笑)そういう一見怪しげなことを、大真面目にやってきました。

 

 

その結果、「いつも元気で明るい人」に見られることも多いぐらい、自分をプロデュースできている面もあるようです。今回私の関係者として参加してくれた友人にも、「無価値感があるようには全然見えなかった!」って言われました。嬉しかったなぁ!

 

専門家が、個と個として対話してくれる

でも自分ではわかっているんです、まだ自分の中に「私は無価値である」って思っている私がいるってことに。それがなんだか怖くて。なぜ怖いかって、理由がわからないから怖いんです。例えばすごく悲しい出来事があったとか、抑圧されて育ったとか、虐待を受けたとか?そういうのが原因で無価値感を感じるようになってしまったとかなら、ある意味わかりやすいとも言えるかもしれません。でもそういうのは一切なくて。自分1人で考えていたときにはこの無価値感の原因がわからなすぎて、ついにこう結論付けました。

 

 

「あ、これはあれだ、前世とか、宇宙とか・・・そういうやつだ!」

 

 

・・・そう、なんだかわからない世界のせいだ、と結論付け、原因を探ることをやめたんです。わからない世界のことは、わからないに決まっているので。ひとまず、原因不明でも仕方ないから、とにかく現状を変えていこう、と行動してきました。前世とか宇宙とか言ったとき、オープンダイアローグの参加者全員が笑ってくれたのもすごく嬉しかったです!こんな話、人にしたことがなかったので!自分の考えたことをありのままで共有した上で、心理の専門家たちが、何か専門的な解釈を加えてくるでもなく、ただ笑ってくれて、「そうかもね!」なんて言ってくれるのですから。

 

 

結局、私の無価値感の原因がこの対話を通してわかった訳ではありませんし、これを何回か繰り返しても結局わからないような気がしています。でも、それで全然良くて。私の心が軽く、強く、あたたかくなったことは間違いないのです。それはこのオープンダイアローグの手法ならではなんじゃないかなと思います。

 

 

そしてもう1点、私にとってとてもよかったのが、自分の人生を客観的かつ多面的に振り返れたことです。その場にいる専門家も、友人も、私がどう進んで行きたいのかを決めるサポートをする体制でありながらも、全員が個としてそこに存在しているので、「今の話のこの点にすごく興味があるから教えて!」とかいう個人個人の意見や感想を出してくれるのです。何人かの人が、それぞれの考え方をシェアしてくれるので、自分の人生を1人で振り返るのとは違って、客観的・多面的に自分を見ることができました。自分の中から問題がポンっと外に出て、それを自分も含めて5人で見て対話をしているような不思議な感覚になりました。図にするとこんな感じ。

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次回も楽しみだなぁ〜!

 

ママたちの心を軽くする場を。

そして、このオープンダイアローグをオンライン・ママ大学の相談室に、なんとか取り入れたいなと考えています。相談室に関して私が1番こだわって考えてきたのは、「心の専門家を入れること」です。私は「相談」って簡単なことじゃないととても強く思っています。相談してさらに傷つくようなことも、起こり得ます。だから相談室を作るなら、専門家ときちんとしたものを作りたい!そうじゃなきゃ、作らない!って思っています。

とか言って、私自身はこの中身を作っていくことはできないので、真弓さんや専門家のみなさんにより良いものを作ってもらえるように体制を準備する方に心と頭を割きたいと思います^^

 

 

またオープンダイアローグについても書いて行きますー!

執筆者:MIKA TANAKA